遠足の前日の,あの夜のドキドキ。新しい家に引っ越してきて,新しい生活が待っているときのドキドキ。止まらない鼓動が,新しいなにかを運んでくる。
ノン・ギーク(コンピュータマニアでない人)からみたマックOS Xの感想。12年も使っていたOSがまったく新しいものに変わってしまうことは,不機嫌にさせられることも多いが,OS Xはそれに勝るシステムの完ぺきさを持っていることに気付く。下部のドックは,すべてにワンクリックでアクセスでき,未読メールの数まで知らせてくれる。白髪交じりの伝統主義者である私でさえも,4日ののちに,新しいデスクトップの方を好きになってしまった。
と,いうことで,やっとOS Xが届いたので使っている(スクリーンショット)。あれができないこれができない,とか,このときの表示が文字化けするとか,まぁそんなのは,どうせみなさんアップルにフィードバックしていることだろうから,正式版では直るだろう。使ってはじめに感じることは,マックOSの名前がついているのに違和感があるほど100%別ものであるということ。わかっていたつもりでも,戸惑いは拭えない。知らないうちにクラシック・マックから受けている先入観と,それを受け入れてくれないOS Xにいらだちをおぼえる。だが,ちょっと使い込んでいくうちに,この新しい日常が,自然と身体に馴染んでくることに気付く。それはとても,不思議な感覚だった。
にしても,いちばん自分でびっくりしたのは,インストール作業をしている時のドキドキ感だった。なにをそんなに興奮しているのかもわからず,鼓動が抑えられなかった。見知らぬ世界へと飛び込む緊張感なのか? OS8やOS9のインストールにはそんなものはなかった。実際に触りはじめてもおんなじ。今までのマックOSを心の中で捨てられれば,まるで子供のように遊ぶこともできる。そして大人のように理路整然とシステムを学ぶこともできる。そしてすっかり,OS Xの日常が,普通になってくる。止まらない,鼓動の中で。
|